難消化性デキストリン 難消化性デキストリン 難消化性デキストリン

難消化性デキストリンの効果とは

デキストリンはじゃがいもやとうもろこしに含まれるデンプンの一種です。
その中でも難消化性の成分だけを取り出した難消化性デキストリンは「消化しにくいデキストリン」と言われる水溶性食物繊維です。
難消化性デキストリンは水に溶けやすく水溶液は透明、粘性は少なく、わずかに甘味があります。

耐熱性に優れているのが特徴で、さまざまな食品に使われています。消費者庁から特定保健用食品(トクホ)の関与成分としても許可されていたり、機能性表示食品としても多くの商品が製品化されています。
食物繊維の重要さ
食物繊維は6大栄養素の一つとされ体内で重要な役割を果たしていています。

現代の食生活では男女ともに食物繊維の摂取量は目標量を下回っており、どの年代でも食物繊維不足となっています。
そこで手軽に食物繊維を摂取できる難消化性デキストリンに注目が集まっています。
食物繊維の重要さ
デキストリン5つの働き
❑整腸作用
一般的に食物繊維は便秘を改善することが知られていますが、水溶性食物繊維である難消化性デキストリンも便秘を改善する作用があるとされています。
さらに、難消化性デキストリンは腸内でビフィズス菌などの善玉菌を増やし、腸内環境を改善し、下痢を改善できることも明らかにされています。
デキストリンの整腸作用


❑食後の血糖値の上昇をゆるやかにする
食事から摂った炭水化物(糖質)は消化によりブドウ糖に分解され、その後「小腸」で吸収されます。小腸で吸収されるときに、難消化性デキストリンの働きにより糖分の吸収を抑え、食後の血糖値の上昇をゆるやかにすることが分かりました。
デキストリンは食後の血糖値の上昇をゆるやかにする


❑食後の血中中性脂肪の上昇をゆるやかにする
中性脂肪は体を動かすエネルギー源になりますが、エネルギーとして使い切れずに余ってしまったものは、体に蓄えられてしまい、肥満の原因になることも。
難消化性デキストリンを摂取することで食事に含まれる脂肪の吸収を抑え、食後の血中中性脂肪の上昇がゆるやかになることが分かっています。


❑内臓脂肪の低減
健常成人(肥満1度:BMI値25kg/m2以上30 kg/m2未満を含む)に対して、難消化性デキストリン(食物繊維)を摂取することにより、内臓脂肪を低減するかについて観察しました。
そこで、難消化性デキストリン5gを1日に3回食事と共に長期摂取することによって、内臓脂肪の低減作用が期待できることが示されました。

参考:難消化性デキストリンの健常成人に対する内臓脂肪低減作用に関する研究レビュー

デキストリンは内臓脂肪の低減する
お腹周りに脂肪がついたと感じる方や脂肪の多い食事を摂りがちな方などにも難消化性デキストリンは有効に働きます。


❑ミネラルの吸収促進作用
食物繊維はミネラルの吸収を阻害すると認識されてきましたが、低粘度で腸内細菌に利用されやすい難消化性デキストリンは、大腸でミネラルの吸収を促進することが明らかにされています。

参考:Eur J Nutr. 49, 165-171(2010)


難消化性デキストリンの
腸内微生物叢への作用
難消化性デキストリンは、血液中の血糖値の上昇をコントロールしたり、食事の満腹感に作用する健康上の利点だけでなく、大腸に生息する有益な細菌(ビフィズス菌など)の代謝と増殖にも関係するとされています。つまり、人の健康に有益な働きをもたらす「プレバイオティクス」の特性があります。

下記の論文では、難消化性デキストリンの摂取により大腸内の悪玉菌の異常発酵にてもたらされる「ガスだまり」の産生をおさえる事や、「短鎖脂肪酸」などを作り出す善玉菌の増殖と代謝に有益に作用する事が臨床試験にて報告されています。

参考文献
難消化デキストリンによる腸内産生ガスの恒常性維持と微生物叢への影響
https://bibgraph.hpcr.jp/abst/pubmed/36364873
デキストリンの安全性は?
副作用はあるの?
アメリカの政府機関であるアメリカ食品医薬品局(FDA)では、難消化性デキストリンの1日の摂取量の上限を明確に定める必要がないほど安全な食品添加物であるとされています。
しかしあまり飲みすぎるとお腹がゆるくなる可能性があります。個人差はありますが体調に合わせて飲む量を調整し、飲みすぎないようにしましょう。

病気の治療で糖質制限を行っている方はかかりつけの医師や管理栄養士に相談してから使用を決めましょう。
デキストリンの安全性
食物繊維の摂取量目安
日本人の食事摂取基準2020(厚生労働省)によると、男性は21g以上/日、女性は18g以上/日(18〜64歳の場合)が食物繊維の目標摂取量とされています。
食物繊維は、積極的に摂りたい栄養です。水溶性食物繊維の多い、いも類・果物類・海藻類を積極的に食事に取り入れるように意識すると良いでしょう。
仕事や家事で毎日忙しく、食事だけで食物繊維を摂取することが難しい方はサプリメントを活用することによって食物繊維を手軽に摂ることが可能です。
食物繊維の摂取量目安食物繊維の摂取量目安
摂取におすすめの
タイミングは?
食事と一緒に摂取する場合は、食後の血糖値の上昇を抑える事が可能ですが、基本的にはいつお召し上がりいただいてもかまいません。
難消化性デキストリンは水に溶けやすいため、食事や飲み物に溶かしてお召し上がりいただくのがおすすめです。
難消化性デキストリンは水に溶けやすい
著者:大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎
金沢大学医学部卒、美容皮膚科クリニックを運営
https://m-beauty.jp/about/dr.html

参考文献やインターネット上にあるエビデンスやメーカー情報を元に分かりやすくまとめたものになります。参考になれば幸いです。
本成分は、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。疾病に罹患している場合はかかりつけ医師に、医薬品を服用している場合は医師、薬剤師に相談してください。食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスをお勧め致します。