・クルクミンは糖尿病により発症する心筋症の損傷を軽減する
クルクミンによって活性化したNrf2/HO-1シグナル伝達経路は、抗酸化物質、抗炎症タンパク質、解毒酵素を活性化させ、酸化ストレスに対抗する能力を高め、
心筋細胞の生存率を有意に高めるとされています。つまり、心臓の収縮する力の障害の軽減につながります。
参考論文1 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35971779/
・2型糖尿病に対するクルクミンの効果
クルクミンはその抗酸化作用により、膵臓にある膵島細胞内のインスリンやアミリンの合成に関与し、2型糖尿病から保護します。
「ストレプトゾシン」という化合物によって、2型糖尿病を誘発させたマウスに、クルクミンを投与したところ、膵臓内部にある細胞群において、アポトーシス(細胞死)の減少や、細胞生存と機能改善、インスリン分泌の増加が確認出来たとの事です。この結果か、クルクミンンは「糖尿病の予防及び治療」における、有力な候補の1つであるとが示されました。
参考論文2 https://journals.viamedica.pl/
endokrynologia_polska/article/view/89575
・抗炎症活性を有するクルクミンを用いた、免疫不全動物の軟骨再生促進効果
抗炎症作用を有するクルクミンを用いて、Cur/GelMAハイドロゲル(抗炎症プラットフォーム)を開発し、ウサギとヤギを使った皮下移植を行った結果を述べています。
GelMAハイドロゲルと比較した場合、クルクミンを用いたCur/GelMAハイドロゲルは、安定した軟骨再生ができ、炎症反応もGelMAハイドロゲルと比べると緩和されていることが示唆されたとされています。
糖尿病にともなって発症する骨格筋の収縮は、筋線維細胞が分解されてしまう事が原因ですが、
これらの炎症は「炎症性サイトカイン」の発生が原因となります。このような炎症においても、クルクミンの抗炎症作用が有効であるとされています。
参考論文3 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35971659/
・クルクミンの抗ウイルス治療について
細胞毒性濃度や有効阻害濃度、さらに刺激指数などをもとに、クルクミンの抗ウイルス効果について研究されています。
人に病気を引き起こすウイルスに対しての、クルクミンの「ウイルス抗活性」についての期待が持てます。
参考論文4 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34834089/
・脳疾患患者におけるクルクミンの治療
ウコンから抽出可能な「植物性ポリフェノール」であるクルクミンによる効果が研究されています。クルクミンの抗酸化・抗炎症・抗菌・抗増殖・抗老化・抗腫瘍など、さまざまな効果についてです。
さらに、一部の神経変性疾患(アルツハイマー、パーキンソン病など)についても、クルクミンの保護効果が示されています。
参考論文5 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35011468/
このように、ウコンに含まれるポリフェノール「クルクミン」には、非常に多くの効果効能が期待されていますが、疾病に対しての正式な治療薬ではありません。疾患をもつ方は、必ず医師へ相談するようにして下さい。