ハイドロキノンクリームの効果と副作用

シミのお悩みを解決する
"ハイドロキノン"。
そのすべてがわかります。


美容皮膚科医に聞こう!古くから皮膚科で採用されているその効果と副作用

橋本慎太郎院長と向田公美子院長 シミについて対談する、大名町スキンクリニック『橋本慎太郎 院長』とくみこクリニック『向田公美子 総院長』。
 ハイドロキノンは、食べ物や自然界にも存在する物質ですが、肌につけるとシミ・くすみに対しての美白還元作用がある事が確認されています。主な働きとしては、シミの原因であるメラニン色素の産生を抑える事ができ、さらにメラニン色素をつくる細胞(メラノサイト)そのものを減少させる事が出来ます。そのためハイドロキノンは肌の漂白剤とも呼ばれるようになりました。
ただし、ハイドロキノンが肌に合わない方もおりますので、当クリニックでは肌状態を見極め、2%~10%の純ハイドロキノンを処方しております。 ダウンタイムを気にしない方には、ハイドロキノンより強力な還元作用のあるトレチノイン(ビタミンA)と混ぜて処方する場合もあります。
院内でのシミ取りレーザー治療後のホームケア用品としても非常に効果を発揮する成分です。
 今ではシミを予防するために、化粧品の中にはさまざまな美白成分が配合されています。
その中でも有名な成分としてビタミンCやプラセンタ、アルブチンなどがありますが、ハイドロキノンはそれら美白成分の10~100倍の効果があると言われています。
 美白成分として有名なビタミンCやプラセンタエキスも、シミの予防に役立ちますが、ハイドロキノンは予防するだけではなく、皮膚に沈着したメラニン色素にまで働きかけることから、今あるシミに対しても効果が確認されています。

 日本ではまだ歴史が浅いため、知名度はあまり高くはありませんが、海外では古くからシミの治療としてハイドロキノン配合クリームが使われています。ただ、その効果が高いことから、副作用などの危険性もあるので、使用には充分注意する必要があります。
著者:美容皮膚科医 橋本慎太郎先生より

ページ内目次

そもそもシミができるメカニズムとは?
ハイドロキノンが対応出来るシミの種類
ハイドロキノンの歴史
ハイドロキノンの濃度について
副作用について
ハイドロキノン配合クリーム ご利用時の注意点

そもそもシミができるメカニズムとは?
  • 図1
    紫外線が表皮細胞に当たる事で発生する「活性酸素」が、シミを生み出す細胞(メラノサイト)に刺激を与えます
  • 図2
    刺激を受けたメラノサイト内ではチロシナーゼという酵素が働き、チロシンを酸化させてメラニン色素(シミの元になる黒い色素)を生成します。
  • 図3
    次々と過剰に作られたメラニン色素が肌に沈着し、シミになります。このサイクルをもとから絶ち切らないと、シミは増えていくばかりです。※根元を絶つには過剰なチロシナーゼの働きを抑える必要があり、ハイドロキノンはこのチロシナーゼの働きを抑える事が出来ます

ハイドロキノンはこれらのシミに有効です


  • 図1
    日光黒子
    多くのシミがこのタイプ。日光性黒子、老人性色素斑ともいう。紫外線によるダメージ(メラニン色素の過剰産生)が原因のシミのこと。顔以外にも手、背、前腕、上背などの露出の多い部分に発生する。色は薄い褐色〜濃い褐色。
  • 図2
    肝斑
    両頬や額、下あご、鼻の下などを中心に左右対称にできるシミ。薄い褐色でやや大きく、もやっと広がる形が特徴。女性ホルモンの乱れやストレス、不規則な生活が影響しているといわれている。
  • 図3
    炎症後色素沈着
    ニキビ、やけど、かぶれなどによる肌の炎症後に生じる褐色のシミのこと。年齢・性別・部位に関係なくできるが、時間とともに徐々に薄くなることが多い。
  • 図4
    雀卵斑(ソバカス)
    いわゆる"ソバカス"。直径数ミリ以下の茶褐色の小さな丸い斑点で、頬や鼻の周りなどに多く出る。3歳ごろから見られ、思春期に特に目立つようになる。遺伝性のもの。

ハイドロキノンの歴史


 ハイドロキノンには還元作用があり、「写真の現像」などの還元剤、「ゴムの酸化防止剤や染料」としても利用され、古くから世界中で利用されてきた成分です。そして、写真を現像していた人の肌が白くなったことから美白作用のあることが発見されました。
 アメリカではシミや色素沈着の治療薬として早くから化粧品に配合され、多くの女性に使用されてきました。そのため、アメリカで美白といえばハイドロキノンクリームが主流です。

 近年日本でもハイドロキノンが話題となり、多くの女性に使用されるようになりました。
 これまで日本は医師の管理下でのみ使用が許されており、化粧品にハイドロキノンを使用することは長年禁止されていましたが、2001年の薬事法の規制緩和により、その使用が許されるようになりました。

 そのため知名度やその歴史はアメリカに比べ、まだまだ浅いものとなっています。

 しかし実は、元々規制が設けられていなかった古い昔から、日本では「ハイドロキノンベンジルエーテル」という薬品が使用されていました。ところが肌の一部が真っ白になる「白斑」という肌トラブルが多発したため、厚生労働省がハイドロキノンベンジルエーテルを化粧品へ配合することを規制し、同時に構造が似ているということでハイドロキノンにも規制がかけられました。
 しかし実際のところ、「ハイドロキノンベンジルエーテル」と「ハイドロキノン」は別物です。この事が正式に判明されるまでの時間がかかった為、日本でのハイドロキノンコスメの歴史は浅くなっているのです。
 そしていろんな美白剤が開発されてきました。ハイドロキノン誘導体、アルブチンもそのひとつです。


濃度と種類について


2001年の薬事法改正により、医療機関でしか手に入れられなかったハイドロキノンクリームを、通販でも手軽に入手することが出来るようになりましたが注意したいのはその濃度です。
一般的に化粧品に含まれる純ハイドロキノンは1%から5%くらいまでの濃度がありますが、濃度が高いと効果もでますが、皮膚に刺激がありますので4%ぐらいが妥当だと考えます。化粧品に含まれる場合はその配合バランスや安定性のテストも重要です。
また、純ハイドロキノンと比較し、安定剤を配合した原料タイプ(SHQ-1)のハイドロキノンクリームがございます。このタイプの原料は、安定剤と混ぜている為ハイドロキノン自体の濃度が低くなりますので、肌への影響が心配な場合は、純ハイドロキノンを試す前に使ってみるとよいでしょう。SHQ-1の29.5%が純ハイドロキノンに相当するため、SHQ-1が10%配合されているクリームだと、純ハイドロキノン2.95%に相当します。
ハイドロキノン分子式
Hydroquinone

ハイドロキノン

純ハイドロキノン1%~3%

刺激が少なく、一般的に安全性の高い配合濃度といわれていますが、その分効果や即効性が低くなると言われています。
しかし、肌が弱い人は、この濃度でも肌に刺激を感じる場合がありますので、濃度が低くても注意してください。

純ハイドロキノン4%~5%

1%~3%に比べて濃度が高いため、肌へピリピリとした刺激を感じる場合があります。
肌に合うか、必ずパッチテストを行なってから使用することをオススメいたします。
※肌に合わず赤みやかぶれがでた場合は使用を中止し、赤みが長引く場合は、お近くの専門医療機関(皮膚科)を受診ください。
※低刺激で安定剤を使わない純ハイドロキノンタイプも開発されておりますので目安としてお考えください。

副作用について


 ハイドロキノンそのものは非常に不安定な成分なので、使用方法を守らなければ肌トラブルを招く可能性があります。
ハイドロキノンの性質や注意点、副作用などしっかり知って、正しくハイドロキノンクリームと付き合いましょう。

1)炎症や赤みにもる副作用

 ハイドロキノンは非常に強い成分であるため、人によっては肌に合わず、炎症や赤みを起こす場合があります。使用される際は、必ず事前にパッチテストを行いましょう。
また、炎症や赤みがでてしまった場合は使用を中止し、皮膚科医に診察してもらいましょう。


2)6か月以上の長期的な利用による副作用

 「長期的な使用」や「高濃度」のハイドロキノンクリームを使用する事により白斑がでる可能性があると言われています。ハイドロキノンはメラニン色素が作られるメラノサイトそのものの働きを抑制する働きがありますので、6%以上の高濃度ハイドロキノンの継続使用、または低濃度でも1年以上長期的に同じポイントに使用する事は控えましょう。
 濃度が4%以下のハイドロキノンコスメであれば、一般的な使用状況下で白斑が起こった例は確認されておりません。
※ただし、医師によっては1年以上継続しても問題ないと報告している例もありますし、実際に白斑になったという症例はいまだ確認されていません。


ご利用時の注意点


1)日中の紫外線対策

ハイドロキノンクリーム使用時は「日焼け止めなしで海に行くようなもの」なので、紫外線の影響を受けやすい状態となります。
朝使用した場合は、必ず日焼け止めをつけ、極力紫外線から肌を守りましょう。

紫外線
紫外線は怖い。
多くのシミは紫外線が原因。小さなシミも紫外線が原因で悪化する可能性もあります。
紫外線は波長の長さによってUVA・UVB・UVCの3種類に分けられます。その中で肌老化に大きく関わる紫外線はUVA・UVBの2つです。
※ UVAは肌の奥深くまで波長が届き、肌が刺激されてシミが生まれます。
※ UVBは奥までは届きませんが、エネルギーが強いため肌表面にダメージを与え炎症の原因になります。
※ UVCはオゾン層により地上まで届きません。

2)酸化しやすいのでお早目に

ハイドロキノンは非常に酸化しやすい成分です。
化粧品に配合されている場合は、開封後はできるだけ冷暗所に保管し、1ヶ月程度で使い切るようにしましょう。
酸化したクリームは肌に刺激を与える可能性があるため、1ヶ月で使い切れず、残ってしまったからといって使用を続けることは避けましょう。

3)ハイドロキノンの濃度は低めで

濃度が高い場合、肌への負担は大きくなり、肌トラブルのリスクも高まります。
ハイドロキノンの反応には個人差がありますが、一般的に2%~4%程度の濃度であれば肌に大きな負担をかけず使用できるとされています。
以上の注意点をまもれば、手軽に使えて、これほど頼りになる美白成分は他にはそれほどないでしょう。

著者:大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎
金沢大学医学部卒、美容皮膚科クリニックを運営
https://m-beauty.jp/about/dr.html

こちらの記事もよく読まれています。

  • 今話題の美白成分ハイドロキノンとは?
    今注目されている肌の美白剤、ハイドロキノン。
    その正しい使い方や疑問点、副作用について解説します。
    記事を読む
  • 悩めるシミ原因は? 予防はできないの?
    シミにはいろいろ種類があり、できる原因にもさまざまなものがあります。
    メカニズムや対処・予防についてお話します。
    記事を読む
  • 知っておきたいビタミンCの美容効果
    ビタミンCは美肌に効果があるのはとても有名です。
    では何故効果があるのか? もっとビタミンCを知って美肌づくり♪
    記事を読む
  • 飲む日焼け止めと言われるNUTROXSUNとは
    美容意識の高い方の間でリピーター続出の紫外線対策を目的にした、
    サプリメントの主成分です。
    記事を読む